たまには

eamo00002005-05-23

読んだ本の感想でも書いてみようかな。

身近な読書家nuさんに教えてもらった吉田修一パークライフを読んだ。
日比谷公園を舞台にした、ちょっとズレた日常を描いた小説。
オレ、基本的に日常をベースにした表現って大好きで、村上春樹の小説とか、フィッシュマンズの詩とか、当たり前のことに愛着がわいちゃう感じがこの小説にもあった。なにげない感じとでもいうのかな?主人公の設定の平凡さって言う部分もあるかも知れない。(でもこの主人公なんかズレてるんだけど…)ただこの小説の描写ではただの日常が狂った日常に見えてくる部分が多々あって、例えば「広場には死にもの狂いで餌をついばむ鳩たちがいる」って表現とかはかなりグロテスクに感じた。グロいっていうとなんだかドロドロした生暖かさみたいなものを含んでいるように伝わるかもしれないけど、ここではその反対で、すっごいカラッとしてる。風景の描写にしても同様で、あくまで乾燥したグロさみたいなものがある。そんな中で登場する主人公の過去と、現在、未来が微妙に交錯して、ありそうでなさそうな、淡ーい期待みたいなもんに妙に共感できたりする、そんな話。吉田修一気に入りました。ほかにも読んでみよっと。